海外取引所を使うべきか迷っている人へ
仮想通貨投資を続けていると、国内取引所だけでなく「海外取引所」という選択肢が気になる人も多いでしょう。
バイナンス(Binance)やバイビット(Bybit)など、豊富な取扱銘柄や高いレバレッジ、ステーキング報酬の高さなどが魅力的です。
しかし、**「手数料」「日本語対応」「入出金方法」「法規制」**といった要素をきちんと理解せずに使うと、思わぬトラブルに発展するリスクもあります。
本記事では、主要な海外取引所を比較しながら、
初心者が押さえておくべきポイントや注意点を、わかりやすく丁寧に解説します。
国内取引所と海外取引所の根本的な違い
まず前提として、国内取引所と海外取引所には明確な違いがあります。
以下の表で整理してみましょう。
| 比較項目 | 国内取引所 | 海外取引所 |
|---|---|---|
| 運営元 | 日本国内の登録業者 | 海外法人(日本未登録) |
| 金融庁の監督 | あり | なし(自己責任) |
| 日本語対応 | ◎(完全対応) | △〜○(取引所により差) |
| 手数料 | 高め(スプレッドあり) | 低め(0.1%前後) |
| 取扱銘柄 | 約20〜30種類 | 数百〜数千銘柄 |
| 入金方法 | 銀行振込・クイック入金 | 仮想通貨送金が主流 |
| 税務処理 | 計算しやすい | 自己管理が必要 |
特に重要なのは、海外取引所は金融庁の登録業者ではないという点です。
つまり、トラブルが起きても日本の法律で保護されにくく、すべて自己責任となります。
海外取引所のメリットとデメリット
海外取引所には大きな魅力もありますが、同時にリスクも存在します。
両面を正しく理解して選ぶことが大切です。
メリット
- 取扱銘柄が圧倒的に多い(国内の10倍以上)
- 取引手数料が安い(0.1%以下が主流)
- レバレッジ取引・先物・ステーキングなど機能が豊富
- キャンペーンやボーナスが多い
- 海外投資家との流動性が高い
デメリット
- 金融庁未登録で、日本人ユーザーの法的保護がない
- 日本円の直接入出金ができない(仮想通貨経由)
- 税務処理が複雑(日本円換算が必要)
- サポートが英語中心のことが多い
- 出金停止リスクやハッキングの懸念
つまり、「取引コストを抑えて多様な銘柄に投資したい上級者」には向いていますが、初心者は慎重に使う必要があります。
手数料で見る主要海外取引所の比較
海外取引所では、取引手数料(トレードフィー)・出金手数料・スプレッドの3点がコストの中心です。
代表的な取引所を比較してみましょう。
| 取引所名 | 取引手数料(Maker/Taker) | 出金手数料(BTC) | スプレッド | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Binance(バイナンス) | 0.10% / 0.10% | 0.0005 BTC | 極小 | 世界最大の取引量・低コスト |
| Bybit(バイビット) | 0.10% / 0.10% | 0.0005 BTC | 小 | 日本人利用者が多い |
| OKX(オーケーエックス) | 0.08% / 0.10% | 0.0004 BTC | 小 | プロ向け機能が充実 |
| MEXC(メックスシー) | 0.10% / 0.10% | 0.0003 BTC | 中 | マイナー銘柄が豊富 |
| Bitget(ビットゲット) | 0.08% / 0.10% | 0.0006 BTC | 小 | コピートレードが人気 |
国内取引所の販売所スプレッドが3〜5%であることを考えると、海外取引所の取引コストは圧倒的に安いことがわかります。
特にBinanceとBybitは世界的に利用者が多く、日本語UIにも対応しており、初心者でも比較的使いやすい取引所です。
日本語対応で選ぶならどこ?
海外取引所と聞くと「英語しか使えないのでは?」と不安に思う方も多いですが、
最近は多くの取引所が日本語インターフェースを提供しています。
| 取引所名 | 日本語対応 | サポート体制 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Binance | ○(ほぼ完璧) | チャット・メール対応 | UIも翻訳精度が高い |
| Bybit | ◎(完全対応) | 日本語チャットあり | 日本人ユーザー最多 |
| Bitget | ○ | 英語サポートが中心 | 一部ページが英語のまま |
| MEXC | △ | メール対応のみ | 翻訳が不自然な箇所あり |
| OKX | ○ | 英語・中国語中心 | 日本語ページは概ね理解可能 |
なかでもBybitは、日本語公式X(旧Twitter)やYouTubeチャンネルも運営しており、
チュートリアル・イベント情報などが豊富に発信されています。
「海外取引所が初めて」という人にはBybitが最も安心といえるでしょう。
入金・出金方法の違いを理解しよう
海外取引所でよくある勘違いが、「日本円を直接入金できる」と思ってしまうことです。
多くの海外取引所では、日本円の入金は不可です。
そのため、次のような手順で仮想通貨を送金して取引を行う必要があります。
入金手順の一般的な流れ
- 国内取引所(例:GMOコイン、bitbank)で日本円を入金
- その日本円でビットコイン(BTC)やUSDTを購入
- 海外取引所のウォレットアドレスに送金
出金手順
- 海外取引所でBTC・USDTを売却
- 国内取引所のウォレットへ送金
- 日本円に換金して出金
つまり、国内取引所が“中継地点”として必要になるのです。
手間は増えますが、慣れれば数分で完了する作業です。
海外取引所を使う際の3つの注意点
海外取引所の利用には、次の3点に注意が必要です。
① 金融庁非登録によるリスク
日本居住者が海外取引所を利用すること自体は違法ではありません。
しかし、金融庁の登録がないため、万が一トラブルが起きても国内法の保護が受けられません。
- アカウント凍結・資金ロック
- ハッキング被害
- 強制出金(日本居住者向けサービス停止)
実際、過去にはBinanceやBybitが「日本向けサービスの制限」を行った事例もあります。
突然ログインできなくなる可能性もゼロではない点は理解しておきましょう。
② 日本円への換金ルートを確保しておく
海外取引所から直接日本円を引き出すことはできません。
必ず国内取引所を経由する必要があるため、**信頼できる国内口座(GMOコイン・bitFlyerなど)**をあらかじめ開設しておきましょう。
この「出口戦略」を確保しておかないと、
「利益を出したのに日本円に戻せない」という最悪の事態にもつながります。
③ 税務管理を怠らない
海外取引所で得た利益も、当然ながら日本の税法上は課税対象です。
確定申告では、日本円換算での損益を算出する必要があります。
- 為替レートは取引日ごとの日本円換算が必要
- 海外取引所の取引履歴はCSV形式で保存
- 年間20万円を超える利益は確定申告が必要
確定申告ソフト(freee・マネーフォワード)を利用すれば自動計算も可能ですが、
取引履歴を早めに整理しておくのが安全です。
海外取引所の安全性と信頼性を比較
海外取引所を選ぶ際に最も重要なのは、「安全性と信頼性」です。
どんなに手数料が安くても、資金が引き出せなければ意味がありません。
以下の比較表は、主要取引所のセキュリティや実績をまとめたものです。
| 取引所名 | 設立年 | セキュリティ評価 | 日本ユーザー数 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Binance | 2017年 | ◎(SAFU保険基金あり) | 非公開(日本人多数) | 世界最大・高流動性 |
| Bybit | 2018年 | ○(コールドウォレット管理) | 非公開(日本語完全対応) | UIが使いやすい |
| OKX | 2016年 | ◎(マルチシグ対応) | 少数 | 機能豊富だが上級者向け |
| Bitget | 2018年 | ○(保険基金あり) | 増加中 | コピートレードが人気 |
| MEXC | 2018年 | △(保険なし) | 一部 | マイナー銘柄特化 |
セキュリティ面では、Binanceが圧倒的に強固です。
「SAFU(Secure Asset Fund for Users)」というユーザー補償基金を設けており、
万一のハッキング時にも一定の補償を受けられる仕組みを採用しています。
また、Bybitも日本語完全対応+コールドウォレットによる安全管理が評価されています。
一方、MEXCなど新興系取引所は手数料が安い反面、法的整備や保険体制が弱いため注意が必要です。
日本人に人気の海外取引所ランキング【初心者向け】
「初めて海外取引所を使う人」におすすめの3社を、目的別にランキング形式で紹介します。
| 順位 | 取引所名 | おすすめポイント | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 🥇 Bybit(バイビット) | 日本語完全対応、UIがシンプル、取引量も多い | 初心者〜中級者 | |
| 🥈 Binance(バイナンス) | 手数料最安・機能最多・取扱銘柄数No.1 | 中級者以上 | |
| 🥉 Bitget(ビットゲット) | コピートレード機能が便利・保険基金あり | 他人の取引を参考にしたい人 |
1位:Bybit(バイビット)
- 手数料: Maker 0.1%/Taker 0.1%
- 特徴: 国内取引所に近い操作感。スマホアプリも直感的。
- 強み: 日本語サポートが充実。登録から取引まで完全に日本語で完結。
- 弱点: USDT送金時のネットワーク選択に注意(TRC20推奨)。
2位:Binance(バイナンス)
- 手数料: Maker 0.1%/Taker 0.1%(BNB支払いで25%割引)
- 特徴: 世界最大規模。DeFi・NFT・ローン・カードなど機能が多い。
- 強み: 高セキュリティ・高流動性でスプレッドが極小。
- 弱点: 一時的に日本向け機能を制限することがある。
3位:Bitget(ビットゲット)
- 手数料: Maker 0.08%/Taker 0.1%
- 特徴: コピートレード機能で人気トレーダーを自動追随できる。
- 強み: 損失補填制度(保険基金)がある。
- 弱点: 一部UIが英語表記で不自然な翻訳あり。
海外取引所を安全に使うための実践ステップ
海外取引所を活用するうえで大切なのは、「リスクを前提に安全対策を取る」ことです。
以下のステップを守るだけで、初心者でも安心して利用できます。
ステップ①:国内取引所を“ハブ”として使う
まず、国内取引所で日本円を仮想通貨に換えるところから始めます。
おすすめはGMOコインやbitbankなど、送金手数料が無料または安い取引所です。
💡例:
GMOコインでBTCを購入 → 海外取引所へ送金 → 取引開始。
この「国内→海外→国内」の流れを確立しておくと、資金移動がスムーズになります。
ステップ②:二段階認証(2FA)を必ず設定する
海外取引所では不正アクセスのリスクもゼロではありません。
アカウントを開設したら、まず最初に以下を設定しましょう。
- Google Authenticator(2段階認証)
- SMS認証
- 出金時パスワード(Bybitなどで設定可)
これを怠ると、フィッシング被害や乗っ取りのリスクが高まります。
ステップ③:送金ネットワークを正しく選ぶ
海外取引所での入金時に間違えやすいのが「ネットワーク選択」です。
たとえばUSDT(テザー)は複数のチェーンで発行されています。
| 通貨 | 主なネットワーク | 特徴 |
|---|---|---|
| USDT | ERC20(ETH) | 手数料が高いが安全性◎ |
| USDT | TRC20(Tron) | 手数料が安い(約1USDT) |
| USDT | BEP20(BNB Smart Chain) | Binance専用・高速 |
誤って別のネットワークで送金すると、資金が消失する可能性があるため、送金前に必ずネットワークを確認しましょう。
海外取引所を利用する際の税務・法務の注意点
海外取引所の取引履歴は、税務上の管理が難しいのが実情です。
しかし、次のポイントを押さえておけば、確定申告もスムーズに行えます。
税務上のポイント
- 利益は「雑所得」として総合課税(最大45%)
- 為替レートは取引日の日本円換算を採用
- 海外取引所の履歴はCSVダウンロードして保管
- 複数取引所のデータを統合できるツールを活用(例:クリプタクト)
法務上のポイント
- 金融庁登録がない取引所は「自己責任」
- トラブル時は海外法が適用されるため解決に時間がかかる
- KYC(本人確認)を完了しないと出金制限がかかる場合がある
海外取引所+国内取引所の“ハイブリッド戦略”
国内と海外を組み合わせて運用することで、リスク分散と利便性を両立できます。
| 戦略 | 国内取引所 | 海外取引所 | メリット |
|---|---|---|---|
| スタンダード型 | GMOコイン | Bybit | 手数料・UIのバランス◎ |
| コスト重視型 | bitbank | Binance | 最安コストで運用可能 |
| 学習・実践型 | コインチェック | Bitget | 初心者でもUIが分かりやすい |
このように、国内で日本円を管理しつつ、海外で取引の幅を広げるのが賢い方法です。
初心者におすすめの始め方
- 国内取引所(GMOコイン・bitbank)を開設
- BTCまたはUSDTを購入
- Bybitなど海外取引所のアカウントを作成
- 少額(例:3,000円分)を送金してテスト
- 操作に慣れたら本格的に運用開始
初回送金は、ミス防止のために「少額→確認→本送金」の手順を徹底しましょう。
まとめ:海外取引所は「安さ」よりも「安全さ」で選ぶ
海外取引所は、手数料の安さや機能の豊富さが魅力ですが、
金融庁未登録・出金制限リスク・日本円非対応という点を軽視してはいけません。
- 初心者は Bybit(日本語対応・安全性◎)
- 中級者以上は Binance(取扱銘柄・流動性No.1)
- コピートレードなら Bitget
という使い分けがおすすめです。
賢く選べば、国内だけでは得られない投資機会を安全に活用できます。

