価格データと為替レートの決め方を徹底解説|国税準拠で正しく円換算する方法

価格データと為替レートの決め方をテーマにしたイラスト。ビットコイン、ドル円チャート、考える女性、国旗アイコンを組み合わせた親しみやすい構図。
目次

仮想通貨取引における「為替レート問題」とは?

仮想通貨の確定申告や会計処理を行う際、最初に多くの人が迷うのが

「どの為替レートを使えばいいのか?」
という点です。

たとえば、次のような場面が考えられます。

  • 海外取引所(Binance、Bybitなど)で取引しており、円換算が必要なとき
  • 仮想通貨を使って商品を購入したとき
  • 海外から報酬(USDTなど)を受け取ったとき
  • 海外取引所に日本円を送金したとき

これらはすべて、取引時点での**為替レート(外国通貨→円換算)**を用いて日本円に直す必要があります。
ところが、為替レートには「銀行レート」「取引所レート」「TTM(仲値)」など複数の基準があり、
どれを使うかによって課税額が大きく変わることがあります。

税務署もこの点を慎重に見ており、
**「どのレートを使ったか」よりも、「合理的で一貫性のある基準を使っているか」**を重視しています。


国税庁が示す為替換算の基本ルール

為替レートの原則:取引発生日の「実勢レート」

国税庁の通達によると、外国通貨建ての取引は**「取引が行われた日の実勢レート」**で換算することが原則です。
つまり、「取引を行った時点での市場レート(円換算)」を用います。

💡 ポイント
取引所のレートは時間ごとに変動します。
したがって、「どのタイミングのレートを採用したか」を明確に記録しておく必要があります。

たとえば、1USDT=150円の時点で100USDTを受け取った場合、
その時点での日本円換算額は 15,000円 です。

後日1USDT=160円になっても、受取時点の150円を基準に所得を計算します。


「実勢レート」とは具体的にどのレートか?

実勢レートとは、市場で実際に取引されている平均的な為替相場のことです。
次のいずれかの方法で算出するのが一般的です。

レートの種類内容使用例
TTS(電信売相場)銀行が外貨を「売る」際のレート外貨で支払いをしたとき
TTB(電信買相場)銀行が外貨を「買う」際のレート外貨を受け取ったとき
TTM(仲値)TTSとTTBの中間値(平均)一般的な換算基準

国税庁の実務では、TTM(仲値)またはそれに準ずるレートを使用していれば問題ありません。
たとえば三菱UFJ銀行、みずほ銀行などが毎営業日に公表している「TTMレート」を用いる方法が最も一般的です。


継続して同一基準を使用することが条件

国税庁は「為替レートをどれにするか」よりも、
**毎回異なるレートを使わないこと(継続適用)**を重視します。

✅ OKな例

  • すべての取引を三菱UFJ銀行のTTMで換算
  • すべての取引を取引所レート(BinanceのUSDT/JPY換算)で統一

❌ NGな例

  • ある取引はCoinMarketCap、別の取引はGoogle為替換算を使用
  • 利益が少なく見える方のレートを都度選ぶ

継続的に同じ基準を用いることで、税務署への説明がスムーズになります。


仮想通貨における価格データの扱い方

仮想通貨の場合は、外国通貨とは異なり「為替相場」だけでなく「仮想通貨の市場価格」も関係します。
つまり、「仮想通貨の時価 × 為替レート」で円換算を行う必要があります。

仮想通貨価格の参照元

仮想通貨の時価(価格データ)は、次のいずれかを参照します。

参照元特徴
利用している取引所の価格実際の取引レートに近く合理的
CoinMarketCapなどの平均相場サイト世界的な平均レートとして使用可
BinanceやBybitのUSDT建て価格海外取引所での実際の約定レート

価格データの出典を明示し、同じ基準を使い続ければ、税務署から指摘されることはほぼありません。


為替換算の流れ(USDTを例に)

仮想通貨がUSDT(米ドルに連動するステーブルコイン)で表示されている場合、
以下のようなステップで日本円換算します。

  1. 取引時点のUSDT/JPYレートを取得
  2. 該当取引のUSDT数量 × 当日のレート = 日本円換算額

たとえば:

  • 取引時:100USDT
  • 当日のTTM:1ドル=150円

👉 日本円換算額=15,000円
この金額を会計帳簿や確定申告書に記載します。


為替レートの選択で税額が変わる理由

仮想通貨や海外取引を行う際、為替レートのわずかな違いでも課税額が変化します。
そのため、税務署は「合理的な換算方法を使っているか」を厳しく確認します。

例:同じ1,000USDTでもレートが異なる場合

使用レート円換算額差額
150円150,000円
152円152,000円+2,000円
155円155,000円+5,000円

仮に年間で数十回の取引があると、この差が積み上がり、
課税所得が数万円~数十万円変動することもあります。


為替レートのズレが税務調査で問題になるケース

以下のような場合、税務署が「換算方法の妥当性」を指摘することがあります。

  • 異なる取引ごとに為替レートの基準がバラバラ
  • レートの根拠資料(スクリーンショットなど)が残っていない
  • 取引時のレートではなく、期末の平均レートを使っている
  • 日本円に戻さずに申告を省略している

税務調査では、取引履歴と換算レートの整合性をチェックするのが基本です。
そのため、「どのレートを使ったか」を必ず明記しておきましょう。


海外取引所のレートを使う場合の注意点

海外取引所での売買は、円建てではなくUSDT・USDC・BTC建てなどで表示されるのが一般的です。
この場合、日本の銀行レートではなく、取引所の時価+為替レートを組み合わせて計算します。

換算ステップ(Bybitなどを利用する場合)

  1. 取引所での価格(USDT建て)を取得
  2. 当日のドル円レートを掛けて円換算
  3. 得られた円換算額を帳簿に記録

例)
0.1BTC=5,000USDTで取引
取引日TTM:1USDT=150円
→ 5,000 × 150=750,000円

この750,000円が「その取引の日本円換算額」です。

取引所が公開するチャートレートを使えば、
税務署からも「合理的な市場レート」として認められやすくなります。

為替レートを帳簿に反映する実務の進め方

仮想通貨取引を行う個人事業主や投資家にとって、会計上もっとも重要なのは「どのように帳簿に反映するか」です。
税務署は「レートの根拠」「換算方法の継続性」「証拠書類の保存」の3点を特に重視しています。


① 取引日を正確に記録する

まず、取引が発生した「日付」を正確に特定しましょう。
仮想通貨の場合、取引が行われた**タイムスタンプ(UTC時間)日本時間(JST)**にズレがあることがあります。

BybitやBinanceではすべてUTC基準で記録されるため、日本時間で+9時間を補正して記録します。

💡 例:
取引履歴に「2025-03-15 03:00 UTC」と記録されていた場合
→ 日本時間では「2025-03-15 12:00 JST」として処理

この補正を行わないと、異なる日の為替レートを適用してしまうおそれがあります。


② 使用する為替レートを一貫して選定する

為替換算に使用するレートは、年度内で一貫性を保つことが重要です。
個人事業主であれば、次のような方針を決めておくとよいでしょう。

方針内容メリット
銀行TTMを使用三菱UFJ銀行やみずほ銀行の仲値を採用税務署が最も認めやすい
外国為替市場の平均値Yahoo!ファイナンスなどのドル円レート実勢に近い
取引所公表レートBinanceやBybitのUSD/JPY換算仮想通貨取引実態に即している

いずれの方法を選ぶにしても、「すべての取引で同じ基準を使用」することが肝心です。


③ 証拠資料を残す(スクリーンショット推奨)

税務署に提出するために、

  • 取引所の価格画面
  • 使用した為替レートのページ
  • ダウンロードしたCSVデータ

などを日付つきで保存しておきましょう。

とくに為替レートは毎日変動するため、
「どのタイミングのレートを使ったか」を示す資料がないと、
後で調査時に「レートの信頼性が不明」と指摘されるリスクがあります。


④ 取引明細をエクセルや会計ソフトにまとめる

仮想通貨の取引履歴は膨大になりがちです。
手作業での換算は非効率なので、エクセルやクラウド会計ソフトを活用しましょう。

おすすめの管理方法:

ツール特徴
freee仮想通貨の手入力に対応。日付・取引金額・レートを自動換算可能
マネーフォワードクラウド海外取引所のデータインポート対応。為替差損益も自動算出
Cryptact / Gtax仮想通貨取引の損益計算に特化。円換算データをCSV出力可能

特に「Cryptact」や「Gtax」でレート計算を行い、結果を会計ソフトに反映させる方法がもっともスムーズです。


仮想通貨と外国通貨が混在するケースの処理

仮想通貨投資では、USDTやUSDCのようなステーブルコインを介した取引が一般的です。
これらは「外国通貨のようであり、仮想通貨でもある」という扱いになるため、
次のように分けて考える必要があります。

通貨の種類性質為替換算の扱い
米ドル(USD)外国通貨取引日TTMで換算
USDT・USDC暗号資産(法的には仮想通貨)対ドル固定なのでUSD換算→円換算の二段階処理

二段階換算の例

  1. 0.1BTC=4,500USDTで売却
  2. 取引日TTM:1ドル=150円
    → 4,500 × 150=675,000円

ここで得られた675,000円が売却時の日本円換算額です。
この手順を取引ごとに自動化しておくと、後の申告作業が格段に楽になります。


税務署がチェックする換算のポイント

税務調査で為替換算に関して確認される主なポイントは以下の通りです。

チェック項目税務署の確認内容
為替レートの基準一貫して同じ基準を使っているか
レートの出典公的または合理的なソースか(銀行・取引所など)
記録の有無計算過程・資料を残しているか
換算誤差の有無多額のズレがないか
継続適用前期と同じ換算方法を用いているか

これらをクリアしていれば、税務署からの指摘はほとんどありません。


為替換算の誤りで起こりやすいトラブル

仮想通貨投資家がよく犯すミスを整理しておきましょう。

ミスの内容結果
取引日ではなく月末レートを使用実際の利益が過大・過少に計上される
取引所のUSDTレートをそのまま円換算為替変動を無視して誤差が生じる
取引履歴を一部省略申告漏れとして指摘される可能性
為替データの保存をしていない証拠不十分で否認リスク

こうしたトラブルを防ぐためには、取引履歴とレートを常にセットで保存しておくことが重要です。


為替レート管理のテンプレート例

実務で使える管理表の一例を示します(エクセルなどで作成)。

日付通貨数量単価(USDT)ドル円TTM円換算額出典
2025/03/10BTC0.054,800150360,000Binance+MUFG
2025/03/12ETH1.03,000151453,000Bybit+MUFG
2025/03/15SOL10120149178,800CoinMarketCap+MUFG

このように、「どのレートを使用したか」を可視化することで、
税務署からも「合理的な算定」として認められやすくなります。


実務で意識すべき「継続適用」の考え方

国税庁の方針では、同じ取引であれば毎年同じ基準を使う「継続適用」が求められます。
つまり、前年に「TTMレートを採用した」なら、翌年も原則として同じ基準を使うべきです。

💬 税務上の原則
「取引内容や規模に著しい変更がない限り、前年と同じ方法を使うこと」

ただし、次のような場合は変更が認められます。

  • 海外取引が主になり、銀行TTMでは実勢を反映できない
  • 使用する取引所を変更した
  • 自動換算ソフト(Cryptact等)に統一した

その際は、変更理由を記録しておくことが大切です。


税務調査に備える行動ステップ

ステップ1:基準レートを決める

自分の取引スタイルに合った換算基準を選び、年初に明文化しておく。

ステップ2:取引ごとの根拠を保存

取引所レート・銀行TTM・スクリーンショットなど、すべて日付つきで保存する。

ステップ3:継続適用を維持

途中で基準を変えないよう、帳簿・申告書ともに同じルールで処理。

ステップ4:税理士と確認

仮想通貨税務に詳しい専門家にレビューを依頼。修正点があれば年度内に調整。

この4ステップを守れば、税務署の調査にも堂々と対応できます。


まとめ:レート選定は「透明性」と「一貫性」が鍵

仮想通貨や海外取引における為替レートの決定は、
どのレートを使うかよりも、どう記録し一貫して使うかが重要です。

  • 取引時点の実勢レートを使う
  • 継続適用を徹底する
  • 証拠資料を残す

この3点を守ることで、税務署にも説明可能な信頼性の高い帳簿を作ることができます。
価格データと為替換算の整合性を意識すれば、仮想通貨取引の透明性が高まり、
無用なトラブルを避けることができるでしょう。

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